イケナイ王子様

「……っ!」


ビシッと、ミドリさんが、右手の人さし指を私に向ける。


ミドリさんの長い爪が至近距離にあり、ドキッとしてしまう。


「翔くんに騙されたことが悔しいけど、その前に、あなたに翔くんを奪われたことに、ものすごく腹が立ってるの!


あなたが、いつから翔くんのことが好きだったのかわからない。


でもね、これだけは言えるわ。


私のほうがずっと、翔くんを想い続けてるんだから!」


なぜだろう。


私に怒りを爆発させてるミドリさんが、泣いてるように見える。


いったいなんで……。


そう問いかけたいけれど、ミドリさんの長い爪が向けられたままで、言いたいことを言うことができない。