イケナイ王子様

「は……はぁっ⁉︎


そ、そんなわけないじゃないですか!」


本当はドキドキしてたのに……。


なんで正直になれないんだろう、私。


ため息をつきそうになったそのとき。


「あっ、翔くんだ!」


ん?


この声、どこかで聞いたことが……。


うつむいていた顔をあげ、声のしたほうに視線を向ける。


それと同時に、見覚えのある女性が、視界に映った。


ミドリさんだ。


翔さんと同じ大学の人……だよね。


「あれ、ミドリさん。


こんなところで会うなんて、奇遇ですね」


本当、奇遇だ。


だって、私が出かける先に、いつもこの人がいるんだもん。


「ね〜、奇遇だね〜」


「ミドリさん、今日はひとりなんですか?」