あきらかに香水のにおいとは違う、主張しすぎない、華やかな香り。


もしかしたら、夜風に当たったときに、香りが俺の近くに来たのかもしれない。


その香りに癒されそうになりながら、愛海の部屋のドアを開ける。


ガチャッ。


「よいしょ……っと」


ベッドに愛海を寝かせ、布団を愛海の体にそっとかける。


「う〜ん……」


愛海の口からそんな声が聞こえて、思わずびっくりするが、愛海は目を覚まさない。


シャンパンのせいで、顔はゆでダコみたいに真っ赤だが、無防備な寝顔が愛らしい。


襲いたくなる衝動をなんとかおさえ、愛海の左隣に近寄る。


そして、愛海の髪をそっと撫でる。


「ん〜……」


猫のように気持ちよさそうな顔をする愛海。