イケナイ王子様

そ、それは……。


もしかして翔さん……嫉妬してる⁉︎


キスマークつけようとするなんて……。


ていうか、独占欲が強いのかも?


「つ、つけなくてもいいです!」


「あんたに拒否権はないから」


そう言って、翔さんが私の首筋に唇を近づけてくる。


ひーっ!


まだ心の準備してないよ!


それ以上近づかないでーっ‼︎


ギュッと目をつぶりながらそう思うが、いつまでたっても、首筋に唇が触れる感触が襲ってこない。


「…………?」


なにも起きてない……?


そーっと目を開けてみる。


私の目の前にいたはずの翔さんが、私から離れて立っていた。


「……なーんてな」


「へ……?」


なーんてな?


どういうこと……?