きれいすぎる笑顔が、私を恐怖にさせる。


私に対する憎悪をつぶやいてた人と、同一人物とは思えないから。


笑顔で、ジェットコースターのほうに向かうミドリさんとその友達を、無言で見送る。


ふたりの姿が見えなくなったと同時に、洋季さんが口を開けた。


「……さて、愛海ちゃん。


ここからどうする?」


「えっ、どうするって……」


「遊園地で遊んでくか、家に帰るか。


愛海ちゃんはどっちにする?」


そのふたつしか選択できないのなら、私の答えはすぐに決まった。


「……帰ります」


翔さんやミドリさんに見つかる可能性があるから。


見つかったら、あとがめんどくさい。


とぼとぼと歩き、遊園地をあとにする。


ひとりで帰る私を、洋季さんは止めることなく、私の背中を追いかけるように、遊園地をあとにした。