イケナイ王子様

まぁ、わからなくていいか。


知らなくていいことだってあるもんね。


心の中でそうつぶやいた私をスルーして、翔さんが、一緒にいる男の人たちと、どこかに向かって歩きだした。


ミドリさんの友達らしき、女性ふたりも、一緒に歩きだす。


しかし、ミドリさんだけは動かなかった。


どうしたんだろう。


首をかしげた直後、ミドリさんの声が聞こえた。


「本当に翔くんに彼女がいるなんて……。


翔くんの彼女が誰だか知らないけど、絶対に排除してやる。


そして、翔くんとの仲を引き裂くんだ……」


ゾクッ。


ミドリさん、怖いこと言うな。


翔さんの彼女である私を排除しようと言ったり。


翔さんと私の仲を引き裂くと言ったり。


もしかして、私の存在が邪魔なのかな。