イケナイ王子様

「あー……はじめてですね」


「本当〜?


もしかして、私たちが最初の相手?」


「そうですね」


「キャーッ、マジで⁉︎」


ミドリさん、すごく嬉しそう。


翔さんがはじめて遊園地に来たことに、興奮するなんて。


というより、遊園地に来たはじめての相手が自分であることに、嬉しさを隠しきれないように見える。


「どうして誘ってくれたんですか?」


「決まってるじゃん。


翔くんのことが好きだから!」


その言葉に、私は声をあげてしまいそうになった。


まさか、ミドリさんが、翔さんに告白してくるとは思わなかったから。


翔さん……断ってくれるよね?


彼女がいるから、って言って、断ってくれるよね……?


そう思っていたが。


「俺のこと、好きなんですか?


嬉しいです、ありがとうございます」