イケナイ王子様

ぷるぷると体を震わせているせいで、持っているグラスが、小刻みに震えだす。


中身のコーラがこぼれそうになる。


そのとき、ミドリさんがこちらを見たような気がして、慌てて目をそらす。


そして、洋季さんのもとに戻る。


コーラをテーブルの上に置いたあとも、震える私を見て、洋季さんが不思議そうな顔をする。


「どうしたの?


もしかして、寒気がするの?」


「い、いえ……」


「じゃあ……嫌なものでも見たとか」


推測は、半分合ってて、半分間違ってる。


嫌なものを見たわけではない。


でも、昨日見た人物をまた見つけたので、なにかを見たことは合っている。


「そ、そうなんですよね……。


じつは、ジュースを持ってくる直前、偶然見ちゃったんです。


クモっぽいものを……」