イケナイ王子様

「ねぇミドリ、どうして今日に限って、イタリアンレストランなの?


普通のレストランでもよくない?」


あっ、思い出した!


ミドリさんだ!


そうだ……。


翔さんが好きかもしれない女の人……。


「ちょっとね〜。


なんか今日は、イタリアンレストランに行きたい気分だったの」


「なによ、それ」


ミドリさんが、友達らしき別の女性に、親しげに話しかけている。


あの人、昨日も見たんだけど。


昨日、あの人を見たときは、E中学の近くのカフェだった。


まさか、今日もバッタリ会ってしまうとは……。


まぁ、ミドリさんのほうは、私の存在に気づいてないみたいだけど。


体が小刻みに震えるのを感じる。


どうして……。


どうして今日もあの人が……。