イケナイ王子様

洋季さんの背中にぶつかりそうになり、慌てて足を止める。


「ここが、俺がすすめるレストラン」


洋季さんにそう言われて、顔をあげた。


へぇ、ここが洋季さんおすすめのイタリアンレストランか。


おしゃれな外観で、思わず中に入りたくなりそうだ。


って、実際、中に入るんだけど。


「じゃあ、入ろうか」


「は、はい」


洋季さんがドアを開け、中に入る。


私もそのあとに続く。


「いらっしゃいませ。


何名様でしょうか?」


「ふたりです」


カウンター近くに立っていた店員さんに、笑顔で対応する洋季さん。


慣れてるなぁ……。


ここに来るのに慣れてなきゃ、スラスラ言えないよ。


「では、ご案内いたします」


店員さんがニコッと微笑み、店の奥へと進んでいった。