そんなことを思う自分に対して、複雑な思いを抱く。


やっぱり、翔さんを好きになってよかったと、キスされたとき、そう思った。


けれど、私のことを好きでいてくれる翔さんに嘘をついてるなんて、という思いも、少なからずある。


翔さんは、私と違って、自分が思っていることをストレートに言える人だ。


そういう素直な人が、嘘をつく相手だからこそ、罪悪感を抱いてしまう。


ごめんなさい、翔さん。


私はとんでもない嘘つきです。


でも、嫌いにならないでください。


嘘をついてるのは、翔さんが傷つかないようにするためなんです。


どうか許してください。


そう思いながら、脱衣場で服を脱ぐ。


お風呂に入っている最中も、翔さんに嘘をついてることへの罪悪感が頭に張りついて、全然離れなかった。