イケナイ王子様

「えぇっ、嘘⁉︎」


そんなの嫌だよ!


翔さんと両想いになったのに、きーちゃんのお姉さんに、翔さんとの仲を引き裂かれちゃうなんて……!


「も〜、愛海ってば本気にしないでよ!


冗談だよ、冗談!」


“冗談”。


その言葉を聞いて、胸のざわつきがおさまった。


「もう、きーちゃん!」


「ごめんごめん!


べつに、愛海が羨ましいから、翔様との仲を引き裂こうとしてるわけじゃないからね!」


そう言われると安心する。


本気で、私の恋を応援してくれてたんだ、と実感させられる。


「いや〜、せめて、お姉ちゃんの好きな人の名前、聞いとけばよかったな。


そしたら、誰かもわかったかもしれないのに」


「お姉さんに、好きな人の名前を聞かなかったの?」


「聞かなかったよ。


お姉ちゃんに好きな人ができたことにびっくりして、聞く余裕がなかったから」