女王様の言うとおり

大西さんはまた沢山の女子生徒たちに囲まれていた。


午前中には泣いていた子たちも、今は元気そうだ。


その様子に複雑な心境になった時、廊下から先生の声が聞こえてきてあたしは目を向けた。


「いやいや、まいったよ」


先生は苦笑いを浮かべながら教室に入って来る。


「先生、大丈夫なんですか!?」


驚きと同時にそう聞いていた。


見たところ顔色は悪くないし、しっかりと自分の足で立っている。


やっぱり、大したことはなかったのだろう。


「平気だよ。ごめんな心配かけて」


そう言って照れ笑いを浮かべる先生の後から入ってきたのは、先生を襲った男子2人だったのだ。


「なんでお前らが入って来るんだよ……」


教室のどこからかそんな声が聞こえて来た。


「いいんだいいんだ。あれは先生が悪かったんだから」


先生はそう言って頭をかいた。