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もっと暴れたり嫌がったりすると思っていたが、大山君は終始大人しかった。
ただ、虫の話になると急に多弁になり、虫と人間を同等のものとして見ていることがわかってきた。
帰り道、あたしたちは言葉少なだった。
あんな大山君の姿は見たことがなかったし、部屋に置かれている大きな水槽が何度も脳裏によみがえってきていた。
「一度、学校へ戻ろうか」
そう言ったのは柊真だった。
スマホで時間を確認してみると、まだ2時を過ぎたところだった。
クラスのみんなは授業を受けているのだろうか。
それともまた自習だろうか。
「先生の様子が気になるよね」
ヒナが俯き加減で歩きながら言った。
「そうだよね。大西さんにキスされてたんだっけ……」
学校の隣の診療所での出来事を思い出してそう言った。
先生の体調も気になる。
救急車で運ばれるようなことにはなっていなかったから、きっと大丈夫だとは思うけれど……。
もっと暴れたり嫌がったりすると思っていたが、大山君は終始大人しかった。
ただ、虫の話になると急に多弁になり、虫と人間を同等のものとして見ていることがわかってきた。
帰り道、あたしたちは言葉少なだった。
あんな大山君の姿は見たことがなかったし、部屋に置かれている大きな水槽が何度も脳裏によみがえってきていた。
「一度、学校へ戻ろうか」
そう言ったのは柊真だった。
スマホで時間を確認してみると、まだ2時を過ぎたところだった。
クラスのみんなは授業を受けているのだろうか。
それともまた自習だろうか。
「先生の様子が気になるよね」
ヒナが俯き加減で歩きながら言った。
「そうだよね。大西さんにキスされてたんだっけ……」
学校の隣の診療所での出来事を思い出してそう言った。
先生の体調も気になる。
救急車で運ばれるようなことにはなっていなかったから、きっと大丈夫だとは思うけれど……。



