女王様の言うとおり

「大西さんがキッカケになったの?」


「そうだよ。彼女が虫の素晴らしさを教えてくれたんだ!」


大山君は目を輝かせて答える。


「それでも、クラスメートに暴力を振るってまで守るのは違うと思うけど……」


ヒナの言葉に大山君が鋭い視線を向けた。


ヒナはひるみ大山君から視線を逸らせた。


「人間は簡単に虫を殺す。それなのに、クラスメートが気絶した程度で騒ぎ立てるなんて、どうかしてる」


「そんな……」


ヒナは大山君の説明にどう返事をしていいかわからないようだ。


人間と虫は違う。


そんな単純なことが大山君の中では崩壊してしまっているようだ。


「話を変えようか。お前はまだ大西さんと付き合ってるのか?」


柊真からの質問に大山君は瞳を輝かせた。


「付き合う? そんな単純な話じゃないんだ、僕たちの関係は」


「どういう意味だよ?」


「彼女は女王様だ。誰のものでもなくて、誰のものでもある」


『女王様』その言葉には聞き覚えがあった。


あの男子たちが入っていた言葉だ。