女王様の言うとおり

☆☆☆

「荷物持つよ」


「ありがとう」


「喉乾いてない? 甘いジュース買って来たけど飲む?」


「もらおうかな」


その様子を唖然として見つめているのは他の生徒たちだ。


あたしもその中のひとりになって廊下の中央を歩いてくる大西さんを見つめた。


大西さんの左右には昨日の男がいて、甲斐甲斐しく世話をやいているのだ。


こわもてな顔2人が大西さんへ向けてヘコヘコと媚を売り、笑顔を向ける。


その光景は異様なものだった。


「なんだこりゃ」


そう言ったのは遊星だった。


遊星も3人の様子を見て目をパチクリさせている。


「なにがなんなんのか、あたしにもサッパリ……」


昨日の放課後あの2人が大西さんに声をかけた時。


あの時は少なからずこんな雰囲気ではなかった。