女王様の言うとおり

☆☆☆

男子生徒たちが大西さんを連れて来たのは、学校の近くにある空家だった。


長くそこに立っている平屋はボロボロに朽ちていて、踏み入るのは勇気がいる。


しかし、男子のひとりは躊躇なく割られた窓から家に入って行く。


きっと、もう何度も入っているのだろう。


大西さんは残った男子に見張られるような形で窓枠に足をかけた。


スカートがめくれて細くて白い、なまめかしさのある太ももが露出する。


やがて彼女は軽い身のこなしで空家へと入って行ってしまった。


残っていた男子がすぐにその後を追い掛ける。


「やばいって柊真!」


空家の中でなにが行われるかわからない。


このまま無視しているわけにはいかなかった。


「警察か、それとも学校か……」


スマホを取り出してモタモタしている時間すら勿体なく感じて、背中に汗が流れて行くのを感じた。


しかし、その時だった。