女王様の言うとおり

「あれはヤバイかもね……」


あれだけの美人なら危ない人たちに気に入られるのもわかる。


周りを通り過ぎていく生徒たちは時折視線を向けながらも、声をかけない。


われ関せずというより、大西さんが無表情のため助けが必要なのかどうか一見わからないからだろう。


どうしよう、先生を呼んできた方がいいのかな?


そう考えた時だった。


男たちが大西さんを連れて移動を始めたのだ。


大西さんは騒ぐこともなく、暴れることもなくついていく。


もしかしたら、さっきの会話の中で脅されたりしているのかもしれない。


「行こう」


柊真の声にあたしは頷き、3人の後を追い掛けたのだった。