さっきの出来事で少しは動揺しているのかと思ったが、そんな素振りは見せていない。


やっぱり変わった子だ……。


そう思った時、鏡越しに彼女が読んでいる文庫のタイトルが見えた。


《女王蟻の過ごし方》


なにあの本……。


偶然だろうか?


今日は蟻についてよく目にする日だった。