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あの子ってなんか変なのかも。


そんなことを相談できる子はヒナしかいなかった。


他のクラスメートたちはみんな大西さんの味方状態だから、悪口めいたことなんて言えるわけがない。


「大西さんは最初からキャラクターが崩壊してると思ってたけどねぇ」


体育館の倉庫でヒナが呟く。


あたしはパソコン教室で見た画面のことを説明したところだった。


「キャラクターが崩壊?」


質問しながら授業で使うラケットを準備する。


「うん。美人で優秀な転校生なんて、どこのラノベよ」


ヒナはそう言ってシャトルの入った箱を持ち上げた。


「これで欠点がないなんて言ったら、余計に怪しいよ」


「完璧すぎるってこと?」


「そうだよ。今まで17年生きてきて、大西さんみたいな子見たことないもん」


そう言われればそうかもしれない。