「どうしたの遊星。昨日遊び過ぎたの?」


あたしはヒナの後ろから声をかけた。


遊星は大きく頷く。


「あったりまえだろ? 俺は遊ぶ星に生まれたんだからな」


遊星はそう言って胸を張り、また欠伸をして涙目になっている。


遊星はその名の通り遊ぶことが大好きで、アウトドアな遊びも、インドアな遊びも、ほとんど制覇している。


時々一緒に遊びに行くと、どうしてこんなお店を知っているんだろうと感じる、飲み屋なんかにも詳しかった。


「遊びもほどほどにしときなよ……?」


ヒナは本気で遊星のことを心配してそう言った。


今から飲み屋について詳しくなっているので、将来的に女性と遊べる店に行ってしまうのではないかと気が気ではないのだ。


「どうしたんだよヒナ。かぁちゃんみたいなこと言って」


鈍感な遊星はヒナの不安の理由に気が付かない。


あたしは2人の会話を聞きながら教室内を見回した。