女王様の言うとおり

今なら、ギャルの奏が自分の身を投げ出してまで蟻を守った理由が痛いほど理解できた。


きっとあたしも同じことをするだろう。


あたしはそのまま手のひらに乗った蟻の死骸を口の中に入れた。


味わうようにゆっくりと粗食する。


土に混ざって蟻の味がする。


カリッとして噛みごたえのある皮膚を突き破ると、中からプチッと弾けるように内臓が飛び出した。


そのひとつひとつをいつくしむように舌の上で転がして、飲み下した。


そして満面の笑みで振り返る。


大西さんも同じように笑顔を浮かべていたので、あたしは大満足だったのだった……。