「あなたとキスしたいって、ずっと思ってた」
大西さんがそう言って真っ赤な舌を蛇のようにチロチロと出して見せた。
「お前なんかとキスするくらいなら、舌を噛み切って死んでやる」
柊真が大西さんを睨み付け、早口で罵倒する。
大西さんはその罵倒に動じる気配も見せず、カラカラとおかしそうな笑い声を上げた。
「そこまで嫌われてるなんて思わなかった。ショックだわ」
そう言いながらもほほ笑んだままだ。
大西さんはあたしたちに特別な感情なんて抱いていない。
あたしたちがここまで感染してこなかったのは、十分に注意していたからに他ならない。
ジリジリと近づいてくる大西さんから逃げようとして後退した瞬間、後ろで待機していたクラスメートたちがあたしと柊真の体を羽交い絞めにしていた。
途端に身動きがとれなくなり、額から冷たい汗が流れ出す。
柊真とつないでいた手も離れ、後方から抱きすくめられるようにして拘束されてしまった。
「心美!」
柊真が青い顔をして叫ぶ。
あたしは返事をすることができなかった。
大西さんがそう言って真っ赤な舌を蛇のようにチロチロと出して見せた。
「お前なんかとキスするくらいなら、舌を噛み切って死んでやる」
柊真が大西さんを睨み付け、早口で罵倒する。
大西さんはその罵倒に動じる気配も見せず、カラカラとおかしそうな笑い声を上げた。
「そこまで嫌われてるなんて思わなかった。ショックだわ」
そう言いながらもほほ笑んだままだ。
大西さんはあたしたちに特別な感情なんて抱いていない。
あたしたちがここまで感染してこなかったのは、十分に注意していたからに他ならない。
ジリジリと近づいてくる大西さんから逃げようとして後退した瞬間、後ろで待機していたクラスメートたちがあたしと柊真の体を羽交い絞めにしていた。
途端に身動きがとれなくなり、額から冷たい汗が流れ出す。
柊真とつないでいた手も離れ、後方から抱きすくめられるようにして拘束されてしまった。
「心美!」
柊真が青い顔をして叫ぶ。
あたしは返事をすることができなかった。



