女王様の言うとおり

「心美……どうしてここにいるの?」


「それはこっちのセリフだよ! どうしてひとりで学校へ来たの?」


あたしは大股でヒナに近づき、腕を握りしめた。


しかしあたしの手をヒナは振り払ったのだ。


「ヒナ……?」


ヒナは青ざめ、小刻みに震えている。


震えながらあたしのことを睨み付けている。


「あたしはもう嫌……」


「ヒナ。怖いのはわかるよ。あたしだってどうすればいいかわからないし、不安だし……」


「心美にはわからない!」


ヒナがあたしの言葉を遮って叫んだ。


途中で言葉を失ったあたしは茫然とヒナを見つめる。


「柊真がいてくれる心美には、あたしの気持ちなんて……!」


そう言うと、ヒナは目の前にいる遊星を見つめた。