女王様の言うとおり

人の声が聞こえてきてことでハッと息を飲んで目を開けると、公園内に同じ制服をきた生徒が数人入って来たところだった。


まだ授業中のはずなのに、どうしたんだろう。


そう思いながら視界の端で生徒たちを確認する。


全部で6人ほどいるようで、その内2人は奏の友人のギャルだったのだ。


見知った顔だったことに驚き、思わず顔ごとそちらへ向けた。


4人の男女は2人を取り囲み「裏切り者」呼ばわりしているのが聞こえて来た。


こんな小さな公園だ。


向こうだってあたしがここに座っていることに気が付いているはずなのに、全くのおかまいなしだった。


「あたしたちは最初から大西さんについてたし」


「だよね。あんたたちの女王が後から来たんでしょ」


ギャルたちは負けじと反論している。


あたしは『女王』という言葉に過激に反応してしまい、半分腰を上げていた。


「B組の女王様はアイリさんよ。あんたたちもこっちに付きなさいよ」


「そうだぞ。A組の女王の仲間だなんて知られたら、アイリさんがどれだけ怒るかわかってんのか」