「ほら、あれだけ人だかりができる子が彼女だと、誰かから殺されそうじゃね?」


そう言って声を出して笑う柊真。


「そ、そうだよね!」


さきいまで胸にのしかかっていた鉛はどこへやら、柊真の一言にあたしは笑顔になっていた。


「だいたい、自分とあの子が釣り合うなんて思う男、そうそういないだろ」


「だよね! あたしもそう思ってた!」


あたしはうんうんと何度も大きく縦に首を振る。


「なんだよ、なんか急に元気出たな?」


コロコロと表情の変わるあたしを見て、柊真は怪訝そうな表情になった。


「え、そう?」


素知らぬ顔をして、また小首を傾げる。


「まぁ、元気そうならいいや。元気づけに放課後遊びに誘おうかと思ったんだけど、その必要もなさそうだな」


柊真の言葉にあたしは目を見開いた。


「あ、遊びって……?」


「心美の好きなパフェでも奢ろうかなって」


「それってもしかして、二人きりで……?」