女王様の言うとおり

ヒナはあたしの隣で膝を抱え、ずっと震えていた。


顔色が悪く、今にも倒れてしまいそうだ。


「ヒナ、大丈夫?」


あたしはヒナの肩を抱きしめてそう聞いた。


ヒナは青い顔をしたまま何度か小刻みに頷いた。


遊星があんな風になってしまって、しかもあたしにキスしようとしてきたのだ。


ヒナの心の傷は計り知れない。


「遊星が、心美にキスしようとするなんて……」


「それは仕方ないよ。遊星だってやりたくてやったんじゃないよ」


あたしは早口でそう言った。


と言っても、もしも柊真が同じことをしたらと考えたら、なんの慰めにもならなかった。