女王様の言うとおり

でも、ヒナだけは守りたかった。


高校に入学して間もなくできた大切な友達だ。


ヒナがいなければ柊真と仲良くなることもなかったかもしれない。


震えているヒナの体をキツク抱きしめたその時だった。


あたしの肩を誰かが強く押していた。


あたしはヒナを抱きしめたまま体のバランスを崩して倒れ込んでしまった。


ヒナは小さく悲鳴を上げ青ざめた顔をあたしの背中側へと向けている。


あたしは振り向いて肩を押した人物を確認した。


遊星だ……。


「遊星……」


震えるヒナの声が聞こえる。