女王様の言うとおり

今まであたしたちは1人になることを避けて行動していたから、みんなもなかなか手出しできなかったのだろう。


でも、教室内で全員で襲い掛かられたら、ひとたまりもない。


「いい加減目を覚ませよお前ら!」


柊真がこらえきれず叫ぶ。


しかし、感染していない人間の声など誰にも届きはしない。


クラスメートたちは傷の入ったCDのように「仲間を増やさないとね」と同じフレーズを繰り返し、ジリジリとこちらへ近づいてくる。


あたしはヒナの方へ振り向いてその体を強く抱きしめた。


ヒナは恐怖心から真っ青になり、小刻みに震えている。


この状態では逃げることもままならないだろう。