それは、現実から非現実への入り口だった。


「そうですか……」


うなだれて呟く柊真。


「君たち大丈夫か? 随分と顔色が悪いぞ? なにか相談があれば乗るが……」


警察官としての正義感からか、そう言って来た。


とてもありがたい申し出だったけれど、真実を話したところで信用してもらえるとは思えなかった。


下手をすれば業務妨害になってしまうかもしれない。


あたしたちはなにも言えないまま、ただ大山君の回復を待つしかなかったのだった。