女王様の言うとおり

「大熊さんは天国に行ける!」


「あたしも見習って、虫のために命を差し出そう!」


「俺もだ! 彼女は英雄だ!」


次々と席を立ち、叫び始める生徒たち。


さすがに先生は涙をひっこめて混乱した表情で教室内を見回した。


それでも生徒たちの歓声は止まらない。


虫のために死んだ奏をたたえ続けている。


「みんな落ち着いて! 友達が亡くなったのは悲しいけれど、落ち着いて!」


先生がいくら叫んでも、その声が止まる事はなかったのだった……。