女王様の言うとおり

感染した者同士は普通に会話しているから、耳が犯されているわけではないとわかる。


だとしたら……無視しているのだ。


感染していないあたしたちの声を、全員が聞こえていないフリをしているのだ。


誰がそんなのことを仕組んだのか、考えなくてもわかった。


……大西さんしかいない……。


彼女は本物の女王様になってしまったのだ。


クラスの女王様。


でも怖いのは大西さん自身ではなかった。


大西さんに逆らおうとする生徒が一人もいないことだった。


全員が大西さんの意見に賛同し、実行している。


あたしたちが泣こうが叫ぼうが、決してその意思を変えることがない……。


遊星が大西さんの前に立った。


途端に表情をほころばせ、嬉しそうにお菓子を差し出す。


大西さんはそれを受け取って礼を言い、そしてチラリとヒナを見た気がした。


「あなたもこっち側へ来たら?」


クスッと笑い、大西さんは確かにそう言ったのだった。