女王様の言うとおり

「遊星どうして連絡を返してくれないの? 心配したんだよ?」


泣いてしまいそうな表情になってヒナが言う。


しかし、遊星はまるでヒナの姿が見えていないかのように、行列に並んだのだ。


鞄を机に置くこともせず、真っ直ぐに列に入るその姿は以前の遊星ではなかった。


「遊星……?」


ヒナは茫然として立ち尽くし、遊星の姿を見つめている。


「ちょっと遊星、返事くらいしたらどう?」


あたしは遊星の腕を掴んでそう言った。


しかし、遊星は真っ直ぐに前を見つめて立っているだけであたしの声に反応しない。


「遊星?」


顔の目の前で手を振ってみても無反応だ。


まるであたしやヒナの存在が見えていないように感じられて、背筋がゾワリと寒くなった。


「おい、お前ら聞こえるか?」


見ると、柊真が他のクラスメートたちに声をかけているところだった。


その声は焦りを含んでいる。