女王様の言うとおり

「普通の医療機関で調べてもらうこともできるかもしれないし、みんなの様子を観察することでわかることがなにかあるかもしれない」


「そうしたら、きっと遊星は元に戻る!」


いつの間にかヒナの目から涙が消えていた。


代わりに希望を抱き、キラキラと輝き始める。


1度失ってしまったと思っていた遊星との未来が、また見えて来たのかもしれない。


「明日からはクラスメートたちを観察しよう。誰からもキスをされなければ大丈夫なんだから、呼び出しなんかには応じないこと。一人での行動もしないこと」


「そうだな。それを守っていれば俺たちはかからない」


あたしの言葉に柊真は大きく頷いてそう答えた。


教室へ戻るのには勇気が必要だったけれど、この3人ならきっと大丈夫。


この時は確かにそう思っていたのだった……。