女王様の言うとおり

「え?」


ヒナが驚いたように目を丸くし、柊真を見つめる。


「取り戻すって、どういうこと?」


あたしは柊真に聞き返す。


「どんな寄生虫だって退治する方法はあるはずだ。薬を飲んだり、手術が必要なときもあるかもしれない。だけど、人間は寄生虫に負けてばかりじゃないと思うんだ」


柊真は早口になってそう説明した。


確かにそうかもしれない。


体を寄生虫に侵されてしまっても、そこから先の未来まで閉ざされるわけじゃない。


体が不自由になっても、未来はまだまだ続いていく。


その中で寄生虫を撃退する方法が、なにかあるかもしれない。


そんな考え方は今まで1度もしてこなかったので、一瞬にして未来が明るく開けた気分になった。