もしも柊真が同じことになってしまったらと考えたら、いたたまれない気分になった。


「気持ちはわかるよ。でも、遊星のこと気になるでしょう?」


あたしはヒナの肩に手を置き、優しい声でそう言った。


ヒナは遊星の名前が出た途端肩をビクリと震わせた。


「遊星は……いくらメッセージを送っても返してくれなくなった。電話にも出ないの」


ヒナの声が悲しみで震える。


「こんなに簡単にあたしと遊星の関係が終るなんて思ってなかった」


そう言うヒナの目に涙が滲んで浮かんでいた。


あたしはヒナの肩を強く抱き寄せる。


ヒナと遊星はよく2人でゲームをして遊んでいたし、付き合うのは時間の問題だと思っていた。


ヒナ自身もそうだったのだろう。


自分と遊星の関係が壊れることなんてない。


そう思って、毎日を過ごしていたはずだった。


それが……大西さんという転校生がすべて奪い去ってしまったのだ。


「もしも遊星を取り戻すことができるなら……?」


不意に柊真がなにかに気が付いたようにそう言っていた。