女王様の言うとおり

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先生が学校に来なくなった翌日から、あたしとヒナと柊真の3人は保健室登校をするようになっていた。


クラスにいれば感染の恐怖に怯えなければならないし、クラスメートたちの話題といえば虫のことばかりになっていたからだった。


3人で椅子を並べ、保健室の先生が用意してくれた長机で勉強をする。


その時間はとても静かなものだった。


チクタクと時計の音だけが聞こえて来る空間。


しかし、時折思い出したようにヒナはため息を吐いた。


そしてスカートからこっそりスマホを取り出してメッセージ画面を確認するのだ。


きっと、遊星から連絡が入っていないかどうか確認しているのだろう。


ヒナは決まって落胆の色を顔に滲ませ、スマホをスカートのポケットに戻すのだった。