そう言われて、背筋がゾッと寒くなった。


確か、カマキリに寄生するハリガネムシも同じようなことをすると聞いたことがあった。


ハリガネムシは陸上ではうまく動けない。


そのため、泳ぐことができないカマキリを自ら入水させ、溺れ死にさせてから体内から出て来るのだ。


そうすれば、ハリガネムシ自身の身は守られるから……。


まさか、そんな寄生虫が体の中に?


想像するだけでつま先から脳天へかけておぞけが走った。


時々道端で見かける死んだカマキリを思い出す。


カマキリのお尻から出る細くて黒い寄生虫。


あれだけの大きさのものが体内にいるだなんて、信じられなかった。


「キスされた生徒たちはどんどん寄生虫に洗脳されていく」


ヒナが小さな声で呟いたのだった。