「あの、夏目くん、大丈夫?」
「……大丈夫じゃない」
「え……」
ベッドにうなだれるように腰を下ろす夏目くん。
同じ空間に、ベッドに、あの夏目くんと一緒にいる。
なんか夢みたい。
夏目くんなんでこんなところにいるんだろう。
「郁田さん、体調悪いの?」
私に背中を向けてベッドに座っていた夏目くんが突然こちらを向いて聞いてくる。
「……え、は、はい。そんな感じ、です」
まさかこれ以上話しかけれるとは思ってなくて、びっくりして軽くどもる。
「そっかぁ、じゃあ無理させられないもんね」
「へ?」
夏目くんの言ってることが分からなくて、ぽかんとしてしまう。
「んー……どーしよ」
体勢を戻してボソッと小さく呟く夏目くんの声。
夏目くんがどんな顔をしているのか、この体勢からはよく見えない。
何が『どーしよ』なんだろうか。
「ねぇ、郁田さん」
「はい」
「……俺としてくれない?」