「えっ……」

スマホの画面を見て思わず声が出る。

だって……。

瞬きをしてもう一度しっかり画面を確認してもやっぱりそうだ。

【夏目涼々】
という名前と共に。

『学校の外階段で待ってる』
のメッセージ。

とたんに心臓がバクバクとして身体のあちこちから汗が出て。

学校の外階段なんて、

私たちが共通認識している場所は一つしかない。

あの日、私が倒れてしまって夏目くんに助けてもらった場所。

そう思った時にはもう、立ち上がってレジへと向かっていた。

「あのっ、お会計っ、お願いします!」

「先程のお連れさまがお客様の分も支払われましたよ」

「えっ……」

うそ。
天井先輩……私の分、払ってくれたの?

「わ、そ、そうなんですか!あの、ごちそうさまでした!」

驚きながらも、足はお店を出るのに急いでいて。

彼が待ってる場所へと向かっていた。