「郁田も気付いた?」

「え、」

みんなでレストランを出てから、後ろから突然、泉くんが静かに言った。

「木村と長山」

「え、あ、うん……」

他のみんなは、次はどこを回ろうかと園内マップに夢中で私たちの会話は聞こえていない。

「泉くんも気付いてたんだ」

「まぁ、木村はともかく長山はわかりやすいからな」

「うん。長山くんわかりやすいね」

絶対、雪ちゃんのことが好きだって伝わった。

話出したらすぐ喧嘩みたくなるけど、それは幼なじみっていう特別な関係によるものなんだと思うし。

「せっかくだからふたりきりにしてあげたいよね」

「いや、俺はダチのなかからリア充が増えるのはごめんかな」

「え、あ、そっか、」

なるほど。友達でもそういうこと思うことってあるんだな。

泉くんらしいっちゃらしいけど。