パレードが過ぎ去り、周囲が暗くなり

お客さんがエントランスに向かう中。


「わたしたちも、行こ――」


セロに、そっと、口づけをされた。


不意打ちすぎる。


「……食べ、ないの?」

「よくわかったな」

「我慢できなくなったのかと」

「できなくなった」

「いいよ。ちょっとなら……ここで食事しても」

「止めてくれないか」

「え?」

「俺が……暴走。してしまいそうになったら」


……ボウソウ?


「失いたくはない」

「……セロ?」

「どんどん強くなっていく」

「大丈夫、だよ」

「なにが」

「セロがわたしに酷いことするわけない」