「……セロは、飛べるから。危険を回避する力があるから怖くないんだよ」

「しかし。その話を聞いている限りでは。少なくともグループ内の、貴様以外のやつらは。平気なのだろう?」


それもそうだね。

どうしてわたし、苦手なんだろう。


自分でもいやになりそう。

怖くなければいいだけの話だ。


でもね、セロ。


「誰にでも。得意なものと、そうじゃないものが……あるでしょ?」


そんなもの知るかって、怒る?

遠足なんてくだらないって言う?


「理解不能だ。俺にできないものは、人間にはできない。俺は人間より遥かに優れている。比べ物にならないくらいには」


わかってもらえない、か。


「手は。繋ぐなよ」