「いいの?」

「いいよ。俺、甘いの食べられないから」


昼休み、教室手前の廊下で呼び止められ

そしてこのアメを渡された。


「あ、三浦くんだ! カッコイイー」

「声かけてる子、彼女かな?」


タスクといると、目立つ。


小さい頃は女の子みたいにチビで可愛かったタスクは、いつの間にやらノッポでイケメンに成長した。


そんなタスクといると、言われてしまうのが___


「まさかー。付き合ってないでしょ。あんな地味な子」

「似合わない似合わない」


……とまぁ、こんな、心ない言葉だ。


ヒソヒソ声でタスクには届いていないものの、地獄耳なわたしには聞こえている。


気にしない、気にしない。


わたしは幸せの絶頂なんだから。


タスクと会えて。

タスクと話せて。


こんな素敵なプレゼントがもらえて。


だけど……


「もらいものって?」


ひょっとして、ファンから?


だとしたら、それをわたしがもらってしまうのは……気が引ける。