お前が好きだなんて俺はバカだな

「え、姉ちゃん本当に生徒会辞めたの?」

イツキが珍しく目をまんまるにして驚いている。

「ちょっと前まで喧嘩してたと思ったら、姉ちゃんもついに強行手段に出たんだ。」

「そこまで大袈裟かな...。」

「これで会長の逆襲が始まらなきゃいいけどね。」

「どういうこと?」

「ううん、別に。
まあ、美礼さんもちゃんと姉ちゃんのこと考えてくれてたってことだね。」

「そ、そうかもね...。」

「よかったじゃん。
じゃあ、エセラビパークも行けるし、夏祭りも2人きりだね。」

なんだそのウィンクは。

まあ、夏祭りは、本当は微妙だけど...。

「いいじゃん、青春じゃん。
いいなー。」

「何よ、弟のくせに。
あんたの青春これからでしょう?」

「まあねー。
でも、もし姉ちゃんが美礼さんと会って告白されてなかったら、今ごろ青春のせの字もなく、路頭に迷ってたかもよ?」

最近イツキもヒガシの影響を受けてか、口が達者になってきている。

でも、今ぐらいはきっと2人は思春期(?)だろうに、こうして私の話をきいて、色々言ってくれるのはちょっとだけ嬉しいかな...。

「姉ちゃん。」

「何?」

「美礼さんと、もっと、
仲良くなれるといいね。」

「...!」

なんか、イツキがさっき
ふっと漏らした笑みが...。

お母さんに...、

どこか先輩にも、似ている気がして...。

そういう、甘酸っぱい感じの、

大人の微笑み方でドキッとしてしまった。

「どうしたの?」

「え、なんでも。
ほら、イツキもご飯の支度ちょっと手伝って。」

「アイアイサー。」

イツキは嫌な顔もせず、キッチンでご飯の配膳などを手伝ってくれる。

それまで部屋にいたヒガシも、丁度出てきて、何も言わずにイツキと一緒に手伝いをはじめた。

最近、2人がこうやってすぐに手伝ってくれるのも嬉しい変化だ。

これも、先輩の、おかげだったかな?