お前が好きだなんて俺はバカだな

「こんにちわ、美咲結野ちゃん♪」

「あ...。」

後ろから声をかけられて振り返ると、

そこには昨日の事の元凶、

噂の東條イルマがにこやかに立っていた。

「その様子だと誰かに悩みを相談しようとしてるところかな?」

「そ、それは...。」

「もしよければ僕がきいてあげるよ。
言ってごらん?」

「...。」

「大丈夫だよ。
僕は君には手を出さないって言ったでしょ?
下のやつにも厳しく言っといてるから。
でもさすが、遠谷くんの彼女ってだけあって、とっても気が強そうだね。」

「...からかわないでください。」

「間違えた。
遠谷くんの彼女だけあって、可愛いねって言いたかったんだよ。

それで、悩みごとはなにかな?」

「先輩と...喧嘩するのはやめてください。」

「喧嘩だなんてとんでもない。
僕はただ遠谷くんともっと仲良くしたいだけだよ。」

「仲良くって...。
どうせ殴り合いとかするんでしょ。」

「殴り合いね...。言い方はそれぞれだけど。まあそれは、僕なりの交流のつもりだよ。
勝つか負けるかじゃなくて、遠谷くんが僕の本気のアプローチについていけるか、いけないかの話さ。」

「手加減...しないんですか。」

「しないよ。
一発でいっちゃったらそれはそれでしょうがないよね。僕自身も彼がどの程度なのか分からないからさ。」

「そんな...。」

「まあ、でも君がそこまで遠谷くんのことを大切に思っているのなら、少しは考えてあげなくもないかな。
それに、彼が思ったよりつまらなくて失望しちゃうような感じだったら、それ以上の交流はやめちゃうね。」

「つまらなかったら...?」

「まあ、君にとってはそれこそ見るに耐えない姿にしちゃうかもしれないけど。
そしたら頑張って看病してあげてね。」

「...!!」

「総じて君には僕の交流のために賢明な判断とご協力をお願いするよ。
ということで、バイバイ。」

東條イルマは去っていった...。

このままじゃ...、先輩...。

私の不安はいつにも増して深くなっていくばかりだった。