お前が好きだなんて俺はバカだな

「あの...あの人は、大丈夫でしょうか。」

女子生徒は先輩のことを気にしているようだった。

私も気になるけど。

「まずは生徒会として、あなたを保護しないと。」

「生徒会...の方ですか?」

「私は生徒会1年の美咲結野。
あなたは?」

「東條えりなです...。」

えりなちゃんは、長くてさらさらの髪の毛をいじりながら、自分の名前を言った。

お人形さんみたい...。

「あの、あの人を、早く助けたほうがいいと思います。」

「どうして?」

「だって、お兄ちゃんたちに勝てるわけ...ないですから。」

お兄ちゃんたち...?

「どういうこと?」

「さっきいたお兄ちゃんは見た目はそんなに強そうじゃないけど、ここら辺だと負けたの見たことないんです。」

「あの、真面目そうな人が...?」

「あの、身体が大きい黒潮さんも強いけど、イルマお兄ちゃんのほうがずっと強いから。あの人じゃ絶対勝てない。」

「勝てないって...。」

「イルマお兄ちゃんは私を男の人たちでわざと脅して、強い人と喧嘩したいだけなんです...。
それで、先生たちも何人かかっても止められれなかったの。」

「そんな...あなたは止められないの?」

「私は、言う通りにするだけ。
だって、逆らったら、私が痛い思いするだけだから。」

そんな...。

だとしたら先輩は...。

どうしよう。

「美咲結野さん...。
ごめんなさい。あなたの大切な人は、もしかしたら...。」

小さな唇が冷ややかな言葉を紡ぎ出す。

「しんじゃうかも、しれない。」

その表情は、冗談を言っているようにはとても思えなくて。

「先に避難してて。」

私は、踵を返して、先輩の元に走っていった。

「どうにも、ならないのに。」

後ろで、そんなか細い声がきこえたきがした。