お前が好きだなんて俺はバカだな

プルルル。

...。

「ん...?」

ベッドで携帯出したまま寝ちゃったみたい。

「えっと、何してたんだっけ...
て、あれ!?」

電話...かけてないこれ...?

やだ!消すつもりだったのにそのまま電話かけちゃうなんて!!

まさかずっと繋がってたりは...。

あ、まだかけてる途中みたい、
今のうちに消し...。

「はい、遠谷です。」

あ...あ...今繋がっちゃった...。

「あ、えっとすみません...。あの...。」

「はい。」

「あ、あの...ごめんなさい、
間違えて押しちゃったみたいで...。」

「...はい。」

「あ、えっとあの...。申し訳ありません!」

起きて早々慌ててるし言葉が出てこない...。

「いえ、大丈夫です。
ではこれで...。」

「あの!」

「...はい。」

...え...何言ってんだろう私。

「あの、えっと...誕生日、おめでとうございます...。」

「...。」

「すみません。何も渡せなくて...忙しいようだったので。あの...。」

やだ...こんな...。

「えっと...今日ですよね...?
私間違えてます?」

「...。」

「遠谷さん...?」

「...そういえばそうでしたね。そんなこと、すっかり忘れていました。」

「え?
だって今日贈り物もらってませんでした?」

「今日ですか?」

「はい。箱とか、袋とか沢山...。」

「おそらくそれは取引先などの返礼品をいくつか預かったときですかね。」

「え、あ...そうだった、んですか...。」

なんだ、私勝手に勘違いしてたんだ。

そういえばあの部署女性多いし。

「...お気遣いありがとうございます。」

「いえ。いつもお世話になってますので...。」

「大したことは何もしてないですよ。」

「そんなこと。この前の企画についてもフォローしていただいて...。」

「それは...ただ、企画に関する事案を承ったまま処理しただけですので...。」

「いえ...。」

「...。」

「あ、すみません。こんな夜遅くに。
もうおやすみになられますよね。」

「いえ、まだ...。」

「まだお仕事ですか?」

「...いいえ、野暮用です。」

「そうですか、お忙しいところすみませんでした。」

「こちらこそ。」

こちらこそって、
この人は別に何もしてないけどな...。

「...あ、あの、もし良ければ明日贈り物持ってきます。つまらないものかもしれませんが...。」

「...そんなに気にしないでください。
お気持ちだけで十分ですから。」

「いえ、いつも本当にお世話になってますから。」

「...ありがとうございます。」

...明日までに用意できるものか...。

「あの...遠谷課長...。」

「はい。」

「すみません、私の勘違いかもしれないんですが、何か、その...。」

「どうされましたか?」

こっちがそうききたいんだよな...。

...。

「えっと、お仕事やっぱり大変ですか...?」

「それほどでもないですよ。」

「そ、そうなんですか...?課長ってその、結構大変そうだなって...。」

「周りのサポートがありますから。」

「そうなんですか...。」

「はい。」

「でも、あの...。
声をきくと、お疲れじゃないかなって...。」

「...。」

「すみません、変なこと言ってしまって。」

「いえ、気をつけます。」

「いや、そんな...。注意とかじゃなくて...。」

「心配していただいてありがとうございます。」

「あ...いえ...。

今後も...よろしくお願いします。」

「...はい。」

「また明日...。」

「...。」

「...?」

やっぱり変だな...。

応答がいつもより遅いっていうか。

お酒とか飲んでる雰囲気も無さそうだしな。

でも、やっぱり元気ないかも...。

「やっぱり何か、悩み事とかありませんか...?」

「いえ、何も。」

「...すみません、私が問い詰めてしまうのもおかしいですよね。」

「いいえ。ご心配おかけしてすみません。
やはり、ご指摘された通り、思っているよりも疲れが回っているようでして。」

「あ...やっぱり...。
あの、お早めにゆっくりお休みになってください。」

「そうします。
今日はありがとうございました。」

「こ、こちらこそ...。」

なんか...いざとなると声の切り替え早いな...。

...。

そんなやりとりをして、電話は切れた。

...。

でも。。。

やっぱり無理...してない?

やたらと空元気みたいな感じ...。

ますます心配...。