お前が好きだなんて俺はバカだな

「結局...電話番号もメールも消してない...。」

ああ、あと写真もか...。

消した気はしたけど、バックアップ機能で完全消去ならずだし...。

「やっぱり...全部捨てちゃったの...まずかったかな...。」

先輩...
自体は、どうなんだろう。

私からもらったものとか、全部捨てちゃったのかな。

そうだとしたら、私はかなしい。

1年足らずだったけど、それでも色んな思い出があったから。

「やり直し...。」

こう、なんか私から直接言うとかじゃなくて、
スイッチ的な、リセットボタンみたいな。

そういう過去に戻れるものが欲しい。

そうしたら、例え同じように振られても、また1年前に戻って、それを繰り返してずっと過ごしていけばいいんだから。

そんなの、わがままだよね。

「今さら、私のことなんか好きじゃないか...。」

「ねぇ、結野...。」

「どうして振られちゃったのかな...。」

「もうそろそろ...独り言やめたほうが...。」

「そんなに私が嫌だったのかな。
なんで嫌われちゃったんだろ。」

「そこまで!!」

「...??」

気づくと、目の前によっちゃんの背中がある。

「どうも、お疲れ様です〜。」

...??

誰に向かって話してるんだろ。

よっちゃんが立っていてその背中のせいで見えなかったから、私は座っていたのを立ち上がった。

「!?」

あ...遠谷課長...???

なんでここにっていうか全部きかれてたんじゃ...!?

「あ、あのえっと...どうも!
お疲れ様です!」

「お疲れ様。」

表情は変わってないみたいだけど...。

周りにも何人か人いるし、全員めちゃくちゃ気まずそうな顔してる...。

恥ずかしい...!

「あ、えっとすみません...。
一応休憩時間だったので、ここで私がスマホでドラマ流してて...。イヤホンさすの忘れてたー。なんてドジなんでしょーなんて...
あはは...。」

「...。」

「も、申し訳ありません...!」

よっちゃん...ごめん!

「いえ、その、実は私が...。」

独り言言ってましたって...?

それはドジどころじゃない...。

「これからは気をつけますので...。」

「いえ。
大丈夫です。
書類を返却しにきただけですから。」

「あ...そ、そうです、か...。」

「失礼しました。」

「いえ...。」

行っちゃった...。