お前が好きだなんて俺はバカだな

「話かけないんですか...?」

真剣に様子うかがいすぎて、自然と声が小声になってしまう。

「美礼くん、何考えてるんだろう。」

「そんなこと言われても...。分かりませんよ。」

「お酒飲んだりしてるわけじゃないみたいだけど、なんか...目的もなく歩いてるみたいな。少なくとも絶対家に向かってないよね。」

「まあ、そうでしょうけど。
他の人の家に行くんじゃないですか?」

「こんな遅くに?」

いや、知らんがな。

それに、目的はありそうだけど。

というか、私には普通に歩いてるようにしか見えない...。

それよりか私たちの方が怪しいんじゃ...?

やがて、彼は踏切の前にやってきた。

ここからじゃ後ろ姿だし、よく分からないけど...。

電車が通っている...。

通過するのを待ってる...。

まあ、普通そうだよな...。

「美礼くん、変な気起こそうとしてないかな。」

「なんですか、それ。」

「...やっぱ君そこで待っててくれる?
下手に刺激しちゃまずいかも。」

「え、どうして...。
あ...。」

行っちゃった。

なんなんだろう。

こちらからは、2人が何か話してるところしか見えない。

そっちに行っちゃだめなの...?

別に行きたいってわけじゃないけど、なんでわざわざ私がここまで動員されたのか...。

「私...どうすればいいの...?」